以前よりお世話になっていて、尊敬する経営者の一人である方がいる。
久方ぶりに連絡をいれると、柄にもなく暗い声・・・
話を聞いてみると、2代目として修行中だった、ワタシも何度も飲んだことのある
ご子息がどうやら「鬱」になってしまったというのだ。
今月からだという。
会社の前まで来てもどうしても入れないらしい。
以前より飲みに行くと、悩み事がたくさんあり、
会社への不満、現社長への不満などをよく聞いていた。
大きな期待、そしてプレッシャーに押しつぶされたようだ。
すでに電話は不通となっていたため、連絡がつけられない。
20代前半は色々なことがある。
その場所にもよるが、
「学生」という守られた立場から、
独り立ちし、社会へでる。
お金を稼ぐ、生きていく、ということはとてもたいへんなことだ。
だけども、楽しいことだ。
だが時として、真面目であれば真面目であるほど、
世間の「洗礼」というものでまともにダメージを受けてしまうことがある。
そんなときに思ってしまうことは
「俺は一体何をやっているのだろう???」
という疑問だ。
少なからずワタシも芸能界という特異な世界で
さんざんな目に会い、自分の人生を悔やんだ時期もあった。
だがモノは考えようで、真面目な人ほど、
「ゆるゆる」と考えるようにしなければならない。
決して捻くれてはいけないし、諦めてもいけない。
「免疫」をつけ、「受け流し」を覚えるのだ。
それはそんなに簡単にはできない。
だけども、仕打ちを受けていくうちに「うたれづよく」なっていく。
そしてある日、いつのまにか「受け流し」を覚えている。
変に考え込まず、ゆるゆると。
人は自分が思っているほど、自分のことを気にしていない。
生きることを難しく考えてはいけない。
ただサボルことはいけないが、
「うまくサボること」は重要である。
ましてや、強烈な個性を持つ「1代目」の元で修行をするのならば
人しれぬ苦労もあるだろう。
だがそれは、人が決して得られぬ「チャンス」でもある。
1代目はそんなチャンスもなかったが、自力で築いていった強さがある。
それが1代目なのだ。
苦労の種類は違ってくるが、受けるダメージははるかに大きかったはずだ。
ワタシは社長の意見がよくわかる。
今でこそよくわかる。
だが、それを2代目の若者に伝えるのは非常に難しい。
おのずと学んでくれることを祈る。
人を使う上で必要なことは
強烈さ・・・それがまずある。
それがなければ戦えぬ。
それに「柔軟性」が加われば、いいのかもしれない。